介護でスキルアップできる20種の資格一覧！取得の順番や活かし方も徹底解説

※厚生労働省｜職業紹介事業報告書によると、国内の有料職業紹介事業者は約29,000社

「介護のスキルアップに役立つ資格は？」
「介護資格は何を取るべき？」

資格取得について迷っていませんか？
この記事では、介護職でスキルアップできる資格をわかりやすくご紹介しています。
＞＞介護職でスキルアップできる代表的な資格を先に見る

また、資格取得のメリットや資格取得後の働き方についても解説しています。
介護系の資格を取ろうか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

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介護職のスキルアップで資格が重要な理由

この章では、介護職のスキルアップで資格が重要な理由について、詳しく解説していきます。

介護の知識を体系的に学べる

資格取得の学習過程では、介護に関する法律や福祉制度、介護技術の基本などを体系的に学べます。

例えば、初任者研修では介護の基礎知識から日常生活支援の方法まで網羅されており、独学では得にくい「理論と実践のつながり」を理解できることが特徴です。

体系的に学ぶことで、現場での判断や対応に自信を持って臨むことが可能です。

介護現場での判断力や対応力が向上する

資格を取得することで、現場で遭遇するさまざまな状況に対して、適切な判断や迅速な対応ができる力が身につきます。

転倒予防や感染症対策の知識を学んでいれば、実際に高齢者が転倒しそうな状況でも落ち着いて対応できます。

資格学習は、なぜそうするのかという理由を理解しながら行動する力を養う場でもあることを理解しましょう。

専門技術や介護手法の幅が広がる

資格によっては、基本的な介護スキルだけでなく、より専門的な技術や手法を学ぶことも可能です。

例えば、認知症ケアや喀痰吸引、リハビリ補助などの知識を習得すれば、現場での活躍の幅が広がり、特定分野での専門職として評価されます。
結果として、キャリアアップや役職へのステップにつながるケースも多く見られます。

＞＞介護職でスキルアップできる代表的な資格

介護職でスキルアップできる代表的な資格

介護職としてキャリアを積むには、現場経験だけでなく資格取得によるスキルアップが重要です。

ここでは、介護職員初任者研修から介護福祉士国家資格までの代表的な資格とその特徴、取得条件や期間について詳しく解説します。

介護職員初任者研修

介護職員初任者研修は、介護の基礎知識や技術を学ぶ入門資格です。
介護現場で必要なコミュニケーションや生活支援、身体介助の基本を習得できます。

これから介護職を目指す方や、未経験で介護の仕事に就きたい方に最適です。

取得条件	特になし（誰でも受講可能）
受講期間	約1～3ヶ月（講義・実習合わせて約130時間程度）

現場経験がなくても取得可能で、職場での信頼度向上やキャリアの第一歩として広く活用されています。

職場によっては費用負担なしで学べることがあるため、確認してみることをおすすめします。

参照：介護職員初任者研修｜東京都福祉人材情報バンクシステムふくむすび

介護福祉士実務者研修

介護福祉士実務者研修は、介護職員初任者研修の次のステップとして位置づけられ、より実践的な知識と技術を習得するための資格です。

医療的ケアやリハビリ支援、介護記録の作成など、専門性の高い業務に対応できる力が身につきます。

取得条件	介護職員初任者研修修了者、または介護経験が一定期間ある方
受講期間	約6ヶ月 （講義・演習・実習を含め約450時間程度）

この研修を修了することで、介護福祉士国家資格の受験資格を得ることも可能です。
介護現場でリーダー的役割を目指す方に適しており、スキルアップやキャリア形成に有利な資格です。

参照：介護福祉士実務者研修｜東京都福祉人材情報バンクシステムふくむすび

介護福祉士

介護福祉士は、介護職の中でも専門性が高く国家資格として認められる資格です。

高齢者や障害者の生活支援、日常生活の自立支援、介護計画の作成や指導など、幅広い業務に携われます。
資格を取得することで、給料や待遇面での向上が期待できるほか、ケアマネジャーなど上位資格への道も開かれます。

取得条件	実務者研修修了＋介護職としての実務経験3年以上 （※受験ルートによって異なる）
受講期間	受験準備期間は個人差あり、通常1年程度で合格を目指すケースが多い

受験には実務経験や実務者研修の修了が条件となり、現場での経験を活かして専門性を深めるためのステップとなります。

参照：
介護福祉士｜東京都福祉人材情報バンクシステムふくむすび
介護福祉士の試験合格に必要な勉強とは？｜生涯学習のユーキャン

実務経験なしで取れる3つの介護資格

介護未経験・無資格でも挑戦できる資格は、これから介護の世界に入る方に最適です。
基礎から学べるため、安心してスタートできます。

介護職員初任者研修

介護職の入門資格で、未経験でも基礎から学べます。

身体介護や生活援助の基礎知識を習得でき、介護職としての第一歩を踏み出せます。

通学と通信講座を組み合わせた学習が可能で、仕事や家庭と両立しやすい資格です。

ガイドヘルパー

障害を持つ方の外出支援や、生活サポートの基礎を学ぶ資格です。

実務経験がなくても受講でき、未経験者でも具体的な支援方法を理解しやすい内容です。

数日から学べる講習が多く、初めて福祉分野に挑戦する方でも取り組めます。

介護食士

高齢者や要介護者向けの食事作りの知識と、技術を習得できる資格です。

食事や栄養に関する基礎を学ぶことで、介護現場や在宅支援で役立ちます。

食事支援の専門性を高めたい方におすすめの資格です。

＞＞スキルアップできる介護職求人が見つかるおすすめ転職サイト

介護職でスキルアップを目指せる国家資格

介護の現場で働きながらスキルアップを考える方にとって、国家資格の取得は大きなステップアップにつながります。

国家資格を持つことで専門性が高まり、職場での役割や活躍の場が広がるだけでなく、転職や収入面でも有利になることが多いです。

ここでは、介護職に関連が深く、将来的なキャリア形成にも役立つ3つの資格について詳しくご紹介します。

柔道整復師

柔道整復師は、骨折や脱臼、捻挫、打撲などの外傷に対して、手技による治療を行える国家資格です。

一般的には整骨院や接骨院で活躍するイメージが強いですが、医療機関やスポーツの現場、さらには介護事業所でもニーズがあります。

高齢者の転倒やけがの予防・回復に携わることができ、介護分野においても重要な役割を担っています。

資格を取得するには、厚生労働大臣が認可した養成校で3年以上学び、国家試験に合格することが必須です。

介護職に加えてリハビリや身体機能の改善にも携われるため、専門性を高めたい方におすすめの資格です。

参照：
・柔道整復師・整骨院・接骨院について｜公益社団法人 日本柔道整復師会
・柔道整復師国家試験の施行｜厚生労働省

精神保健福祉士

精神保健福祉士は、精神的な病気や障害を持つ人やその家族を支援する専門職の国家資格です。
医療機関や福祉施設、行政機関で相談支援を行い、社会復帰や生活の安定をサポートします。

介護福祉士として高齢者ケアの経験を積んだ方が取得すれば、精神的ケアに特化した専門性を持てます。
心の健康に寄り添う支援を行いたい方に、おすすめの資格です。

取得条件	大学や養成校での所定科目修了
おすすめな人	精神障害者支援や医療現場での相談援助を深めたい方

参照：精神保健福祉士｜東京都福祉人材情報バンクシステムふくむすび

社会福祉士

社会福祉士は、福祉分野の総合的な相談援助を行う専門職の国家資格です。
生活困難を抱える高齢者や障害者、家庭問題を抱える方から相談を受けたら支援計画を立て、行政や関係機関と連携して支援を行います。

介護福祉士が取得することで、介護の現場だけでなく地域福祉や福祉施設での相談業務に、活躍の場を広げられます。

介護福祉士または精神保健福祉士の資格を持っていると、実習の一部が免除になります。

取得条件	大学や養成校での所定科目修了
おすすめな人	福祉全般の知識を活かし相談援助や地域支援に携わりたい方

参照：
・社会福祉士｜東京都福祉人材情報バンクシステムふくむすび
・社会福祉士養成課程における教育内容等の見直しについて｜厚生労働省

関連記事：
・社会福祉士おすすめ転職サイトランキング｜選び方や目的・地域別転職サイトもご紹介

さらに専門性を高めたい方におすすめの介護資格

利用者の生活をより豊かにするためには、身体介助や相談支援だけでなく、移動支援や医療的ケア、運動指導やレクリエーションなど、多方面での専門性が求められます。

ここからは、さらに専門性を高めたい方におすすめの介護資格をご紹介します。

ガイドヘルパー

ガイドヘルパーは、視覚障がい者や全身性障がい者の方の外出を安全にサポートする資格です。
外出支援を中心に、移動中の安全確保や生活の自立を支援する役割を担います。

ガイドヘルパーとして働くには、障がい種別ごとの養成研修（同行援護・行動援護・全身性障害者）を修了する必要があります。
地域や養成所にもよりますが、研修は数日程度で修了でき、修了後は正社員から登録制まで多様な働き方が可能です。

取得条件	特になし（未経験者でも受講可能）
受講期間	数日程度 （※都道府県や指定研修機関により異なる）

参照：ガイドヘルパー養成研修｜認定NPO法人 横浜移動サービス協議会

介護予防運動指導員

介護予防運動指導員は、高齢者の健康維持や介護予防を目的とした運動プログラムを指導できる資格です。
体操やストレッチなど、無理のない運動を通じて体力の維持・向上を支援します。

介護施設や地域の高齢者教室などで活躍し、健康寿命を延ばす取り組みに貢献できます。
身体機能の維持や転倒予防など、利用者の生活の質を高めたい方におすすめです。

取得条件	特になし（介護職経験者におすすめ）
受講期間	2日～数週間程度（講習＋実習で30時間前後）

参照：介護予防運動指導員 養成講座｜NPO介護予防研究会

喀痰吸引等研修

喀痰吸引等研修は、たんの吸引や経管栄養など、医療的ケアを介護職が実施できるようにする研修です。
医療行為に準ずる内容のため、介護職で働く方が安全にケアを提供するために欠かせない資格です。

受講することで、在宅介護や医療依存度の高い利用者への支援が可能になり、働ける職場や役割の幅が広がります。
より高度なケアスキルを習得したい介護職におすすめです。

取得条件	必須の資格はないが、介護現場での経験が推奨される
受講期間	数週間～数ヶ月（講義・演習・実習含む）

参照：喀痰吸引等研修｜厚生労働省

レクリエーション介護士

レクリエーション介護士（2級・1級）は、高齢者に楽しみや生きがいを提供するレクリエーションの専門資格です。
体操・歌・工作・ゲームなどを通じて心身の活性化を促し、利用者の生活の質を向上させます。

介護現場でのコミュニケーション力を高める効果もあり、利用者に笑顔を届けたい方に適しています。
比較的取得しやすいため、副資格として人気が高い資格です。

取得条件	特になし（誰でも受講可能）
受講期間	数日程度

参照：レクリエーション介護士2級｜名古屋福祉專門学校

介護食士

介護食士は、高齢者や要介護者の健康と生活の質を支える食事作りに特化した資格です。
栄養バランスや嚥下機能に配慮した調理法を学び、安全で食べやすい食事を提供できるスキルを習得可能です。

取得後は介護施設や在宅介護の現場だけでなく、食事支援を必要とする幅広い分野で活かせます。
介護現場において「食」の専門性を高めたい方や、調理の知識を深めたい方におすすめの資格です。

取得条件	特になし（誰でも受講可能）
受講期間	3ヶ月～6ヶ月程度

参照：介護食士とは｜公益社団法人 全国調理職業訓練協会

認知症ケアに特化した介護資格

高齢化が進む中で、認知症ケアの専門性を持つ介護職員の需要はますます高まっています。

ここでは、代表的な認知症ケアに特化した介護資格をご紹介します。

認知症介護基礎研修

認知症介護基礎研修は、介護職に就いている方が認知症ケアの基本を学ぶための研修です。
認知症の理解・基本的な対応方法・利用者や家族との関わり方を学び、現場で必要な最低限の知識を習得します。

介護の現場に出る前の入門的な資格であり、認知症ケアに不安を持つ初心者でも安心して学べる内容です。
今後認知症介護に携わる予定の方には、必須の資格といえるでしょう。

取得条件	介護職に就いている方（※都道府県や研修機関により異なる）
受講期間	数日程度（※都道府県や研修機関により異なる）

参照：東京都認知症介護研修の概要｜東京都福祉局

認知症介護実践者研修

認知症介護実践者研修は、現場で実際に認知症の方を支援するための実践的スキルを学ぶ研修です。
基礎研修よりも踏み込んだ内容で、行動心理症状（BPSD）への対応や、チームでのケア方法を習得します。

現場で即戦力となれる人材を目指すための研修で、認知症介護に関わる方には非常に有用です。
より専門的なケアを実践したい方におすすめです。

取得条件	介護職としての実務経験がある方 （認知症介護基礎研修修了が望ましい）
受講期間	数週間～数ヶ月 （講義・演習・実習を含む）

参照：東京都認知症介護研修の概要｜東京都福祉局

認知症ケア専門士

認知症ケア専門士は、認知症に関する高度な知識と技能を持つ専門職として認められる民間資格です。
ケアの実践だけでなく、後輩指導やチームマネジメントにも関われます。

認知症に関する最新の知識や研究も取り入れながら、ケアの質を高めるための専門的役割を担います。
認知症ケアのプロフェッショナルを目指す方に適した資格です。

取得条件	実務経験3年以上
受講期間	1ヶ月程度（※受験対策講座情報より）

参照：専門士制度｜一般社団法人日本認知症ケア学会

認知症介護実践リーダー研修

認知症介護実践リーダー研修は、介護現場でチームをまとめ、認知症ケアをリードできる人材を育成する研修です。
ケア方針の立案やスタッフへの指導、家族との連携など、リーダーとして必要なスキルを学びます。

現場の中心として活躍したい方、管理職や指導的立場を目指す方におすすめです。
介護職員からステップアップしたい方のキャリア形成に役立ちます。

取得条件	認知症介護実践者研修修了者
受講期間	数週間～数ヶ月（研修内容により異なる）

参照：東京都認知症介護研修の概要｜東京都福祉局

【条件別】介護のスキルアップに有効な資格一覧

介護資格には「誰でも挑戦できるもの」から「実務経験が必要なもの」までさまざまです。
自分の経験や働き方に合わせて、効率よくキャリアアップを目指すことが大切です。

ここでは、条件別におすすめの資格を紹介し、それぞれの取り方もあわせて解説します。

実習不要ですぐ取れる介護資格一覧

施設実習が不要で、比較的短期間で取得できる資格もあります。
「とりあえず介護の資格が欲しい」という方におすすめです。

介護職員初任者研修	基礎的な介護知識と技術を学べる入門資格です。 通学での演習は必要ですが、施設実習はありません。 初めて介護職を目指す人に幅広く選ばれています。 （※都道府県や養成施設により任意で実習が受けられるケースがあります。）
レクリエーション介護士2級	高齢者施設や在宅介護で役立つ、レクリエーションの企画・実施を学ぶ民間資格です。 通信講座と課題提出で完結し、実習は不要です。 受講期間は数ヶ月程度と短く、楽しさや生きがいを提供できるスキルが身につきます。 介護職を目指す人やスキルを広げたい人に人気です。
認知症介護基礎研修	認知症ケアの基礎を学び、日常生活での適切な対応力を養う公的研修です。 各自治体や研修機関が実施しており、数日間の講義受講で修了できます。 実習はなく、座学中心のカリキュラムで負担が少ないです。 認知症介護に関心のある方や現場で働きたい方に最適です。

テキストや問題集を使い独学で取れる介護資格一覧

テキストや問題集を使い、自宅学習だけで受験できる資格もあります。
学習コストを抑えつつ、自分のペースで進めたい方におすすめです。

介護福祉士	国家資格であり、介護職のキャリアアップに直結します。 受験には実務経験や研修修了が必要ですが、学習自体は独学で可能です。 問題集や参考書を使って繰り返し学習すれば、合格を目指せます。 将来的に責任ある立場を目指す方に欠かせない資格です。
認知症介助士	認知症に関する基礎知識と、介助法を学ぶ民間資格です。 独学でテキストを進め、理解度を確認する試験を受ける形式です。 家族介護から現場でのサポートまで、幅広く役立つ知識が得られます。 介護初心者にも取り組みやすい資格の一つです。
介護事務管理士	介護報酬の請求業務や介護事務に必要な知識を学ぶ資格です。 市販のテキストや問題集で学習を進め、在宅受験で取得可能です。 医療・介護事務の専門性を高め、事務職としてのキャリアアップに役立ちます。 実務未経験でも挑戦しやすい資格です。

参照：
・認知症介助士｜公益財団法人　日本ケアフィット共育機構
・介護事務管理士｜株式会社技能認定振興協会

介護福祉士を持っていると取れる介護資格一覧

介護福祉士資格を取得すると、さらに上位資格への挑戦が可能になります。
管理職や専門職としてのキャリアを広げたい方におすすめです。

介護支援専門員（ケアマネジャー）	ケアプランの作成や利用者・家族との相談支援を行う専門職です。 介護福祉士を持っていれば受験資格の実務経験が満たしやすく、現場経験を活かして管理職や指導者としてのキャリアが広がります。 施設や在宅サービスでの中核的役割を担えます。
認定介護福祉士	介護福祉士の上位資格で、より高度な知識・技術を持つことを証明できます。 後輩指導やチームマネジメントに携われ、介護現場でのリーダー職や専門職としてのキャリア形成に直結します。 介護の質を高める役割で、キャリアの幅を大きく広げられます。
社会福祉士	福祉全般に関する相談援助を行う国家資格です。 介護福祉士の経験を活かして、地域福祉や高齢者支援に幅広く関わることが可能です。 施設だけでなく行政や地域包括支援センターでの相談業務など、専門職としてキャリアの選択肢が大きく広がります。
認知症ケア専門士	認知症に特化した高度な知識と技術を持つことを示す資格です。 介護福祉士としての実務経験を活かして、現場での指導者やチームリーダーとして活躍できます。 認知症ケアのプロとしての専門性を高めることで、施設や在宅での責任ある役割に挑戦可能です。

＞＞介護職でスキルアップできる代表的な資格

介護関連の資格取得で得られる具体的なメリット

介護職でスキルアップを目指す際、資格を取得することは大きなメリットがあります。
資格は知識や技能の証明となるだけでなく、給料や手当、キャリアの幅に影響を与えることがあります。

ここでは、資格を取得することで得られる具体的なメリットについて解説します。

資格手当や昇給につながる

資格を取得すると、資格手当や昇給の対象になることが多くあります。
実際に介護職員は、保有資格の有無によって給料に差が出ることが統計でも確認されています。

例えば、令和6年度の統計では、資格なしの介護職員の平均月給は約29万円であるのに対し、介護職員初任者研修保有者は約32万5千円、介護福祉士保有者は約35万円と、資格を持つことで月給が増える傾向があります。

参照：令和６年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要｜厚生労働省（P17）

上級職へのステップアップがしやすい

介護関連の資格を持っていると、現場での中核スタッフや管理職など、上級職へのキャリアパスが広がります。
資格があることで、必要な知識や技能があると評価され、責任ある業務やチーム運営に挑戦しやすくなります。

また、資格によって一定の条件が満たされるため、上級職へのステップがスムーズになり、キャリアの幅を広げやすい点が大きなメリットです。

就職・転職時に採用で優遇されることがある

資格を持っていることは、就職や転職時に評価される要素のひとつです。
知識や技能の証明となるため、採用担当者から即戦力として認められ、選考で有利になる場合があります。

また、資格保有者向けの求人も多く、応募できる職場や条件の幅が広がるため、希望に沿った働き方や職場選びがしやすくなる点もメリットです。

介護資格はどれから取れば良いの？全体像と取得の順番

介護資格は、初心者向けから専門職向けまで複数のステップに分かれています。

ここでは、介護資格はどれから取れば良いのか悩む方に向けて、全体像と代表的な資格取得の順番を詳しく解説していきます。

それぞれの資格はキャリアパスと密接に関わっているため、順序よく取得してスムーズなスキルアップを目指しましょう。

介護資格の全体像とキャリアパス

介護資格は大きく分けると、以下の3つのステージがあります。

この順序で資格を取得することで、現場での経験を積みながらステップアップできます。

参照：介護に関する資格等について｜厚生労働省

介護資格の代表的な取得順番

初心者が介護資格を取得する場合、代表的な順番は以下の通りです。

	資格	内容
1	初任者研修	介護の基本を学び、介護現場での業務が可能になります。
2	実務者研修	現場経験を重ねたうえで取得することで、より専門的な介護技術を発揮できます。 チームの中核スタッフとして活躍可能です。
3	【国家資格】介護福祉士	国家資格として介護職の中核を担うための資格です。 キャリアアップや給料アップに直結します。
4	介護支援専門員（ケアマネジャー）	ケアプラン作成や管理業務を行うための資格です。

このあと目指す資格は、より専門性の高い分野や管理職、指導者としてのスキルを身につけるためのものです。
代表的な資格として、下記のようなものがあります。

認定介護福祉士
社会福祉士
精神保健福祉士

取る資格に迷いがある方は、転職サイトのエージェントに相談してみることもおすすめです。

介護資格の取得方法

ここからは、介護資格の取得方法を解説します。
働きながら学ぶ人が多いため、学習時間や方法を日常生活にどう組み込むかをイメージしやすいよう、説明します。

養成施設やスクールで学ぶ

通学型のスクールや専門学校では、講義や実技演習を通して介護の基礎や技術を体系的に学べます。
夜間や週末コースがあるスクールも多く、仕事後や休日に通学して学習することが可能です。

例えば、仕事後に週2回通学して講義や演習を受け、空いた時間に復習や課題提出を行う、といったスケジュールで生活に学習を組み込めます。

スクールでは仲間と一緒に学べるため、モチベーションを維持しやすく、講師に直接質問できる点もメリットです。

オンライン学習中心で取得する

通信講座やオンラインスクールを利用すれば、自宅や職場での休憩時間に学習を進められます。
動画視聴やテキスト学習、課題提出、オンライン試験などで資格取得が可能です。

また、「1日30分だけテキストを読む」「週末に動画講義をまとめて視聴する」など、生活リズムに合わせた学習方法を設定すると継続しやすくなります。

オンライン学習は自分のペースで進められるため、仕事や家庭の都合に合わせて柔軟に学べることが魅力です。

学習に加え実習が必要な資格もある

介護福祉士やケアマネジャー、認定介護福祉士などの比較的難易度の高い上位資格では、学習に加えて実習が必須です。
実習は施設や在宅での介護業務を通じて、知識や技術を現場で応用する力を身につける場です。

例えば下記のような実習を体験します。

食事・入浴
リハビリ補助
排泄の介助
レクリエーション支援

働きながら取得する場合は、実習の日程を週末や休暇に組み込み、平日はオンライン学習やテキスト学習で知識を積み重ねる方法が有効です。

学んだ内容を実習で実践し、フィードバックを受けることで、座学だけでは得られない即戦力スキルを身につけられます。

＞＞介護職でスキルアップできる代表的な資格

介護職の資格取得後のキャリアアップモデルと働き方

ここからは、介護資格を取得したあと、どのようなキャリアを描けるのかを解説します。
現場での経験を活かした中核スタッフとしての働き方や、管理・相談業務、専門分野での活躍まで、目指せるキャリアをご紹介します。

介護の現場で中核スタッフとして働く

介護職員初任者研修や介護福祉士を取得したあと、多くの人がまず目指すのは現場での中核スタッフとしての活躍です。

具体的には、施設や訪問介護での身体介助、排泄・入浴・食事のサポート、レクリエーションの実施などを行い、利用者の日常生活を支えます。

中核スタッフになると、新人や実習生の指導も任されることが増え、介護の基礎技術だけでなく、リーダーシップやチーム運営の力も求められます。

管理・相談業務に進む

介護福祉士や介護支援専門員（ケアマネジャー）の資格を取得すると、管理や相談業務に進むキャリアも選択肢に入ります。

管理業務では、スタッフのシフト管理や業務分担、施設運営に関わる責任を持つことが増えます。
相談業務では、利用者やその家族の生活や健康状態を把握し、ケアプランの作成やアドバイスを行います。

管理や相談業務は、現場とは異なる知識や調整力が必要ですが、介護のキャリアの幅を広げ、長く働き続けるための選択肢として人気です。

専門分野の仕事に特化して活躍する

認知症ケア専門士や介護予防運動指導員、喀痰吸引等研修などの資格を取得すると、特定分野に特化した仕事で活躍できます。

例えば、認知症ケア専門士であれば認知症高齢者のケアに精通し、施設や在宅で指導者として活躍でき、利用者やスタッフからの信頼も高まります。

介護予防運動指導員であれば、高齢者の運動指導や転倒予防プログラムの提供など、より専門的な支援に携われます。
専門分野に特化すると、現場でのスキルが深まり、キャリアアップだけでなく収入面や責任のあるポジションにもつながるでしょう。

スキルアップできる介護職求人が見つかるおすすめ転職サイト3選

介護職におすすめの転職サイトをご紹介します。
介護資格を取るか迷っている方や、資格を活かせる職場を探している方はぜひ参考にしてください。

1．レバウェル介護（旧：きらケア介護）

総合評価：★5.0/5.0

レバウェル介護は、スキルアップを目指す介護職の方に寄り添った転職サイトです。
もっと成長できる環境に移りたい、資格を活かせる職場を選びたいと考える方に対し、専門のアドバイザーが丁寧にサポートしてくれます。

最適な求人の提案から条件交渉、就業後の相談まで幅広く対応しているため、一人で転職活動を進める不安を解消できます。

特に職場の雰囲気や有休消化率といったリアルな情報を事前に伝えてもらえることで、働き始めてからのギャップを防ぎやすい点が魅力です。

また、面接前の対策だけでなく当日の同行まで行ってくれるため、プレッシャーを感じやすい場面でも安心感を持って臨めます。
介護の転職を考えたら、まず初めに登録したい転職サイトです。

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求人数	約159,000件 ※2025年10月時点
対応職種	ヘルパー・介護職、生活相談員、サービス提供責任者、管理職・管理職候補、ケアマネジャー、看護助手、医療ソーシャルワーカー、サービス管理責任者、生活支援員、その他
対応雇用形態	正社員、契約社員、パート・アルバイト
対応エリア	北海道・青森・岩手・宮城・ 秋田・山形・福島・東京・ 神奈川・千葉・埼玉・茨城・ 栃木・群馬・山梨・長野・ 新潟・富山・石川・福井・ 愛知・静岡・岐阜・三重・ 大阪・兵庫・京都・滋賀・ 奈良・和歌山・広島・岡山・ 鳥取・島根・山口・香川・ 愛媛・高知・徳島・福岡・ 佐賀・長崎・熊本・大分・ 宮崎・鹿児島・沖縄
公式サイト	https://job.kiracare.jp/
参照記事	・レバウェル介護（旧：きらケア介護）の評判・口コミ

（出典：公式サイト）

関連記事：
レバウェル介護（旧：きらケア正社員）最新の評判・悪い口コミを徹底検証！

2．マイナビ介護職

総合評価：★5.0/5.0
※マイナビのプロモーションを含みます

マイナビ介護職は、福祉・介護業界に精通したキャリアアドバイザーから手厚いサポートを受けられる転職サイトです。

介護現場での経験をさらに活かしたい方や、条件の良い職場で安心して働きたい方に向けて、施設の雰囲気や職員の定着率など、詳細な情報を教えてもらえます。

登録後は応募書類作成や面接日程の調整、入職条件の交渉までキャリアアドバイザーによる全面的なサポートがあるため安心です。

また、資格を活かしたキャリア設計のアドバイスも受けられるため、将来の働き方や目標を具体的にイメージできます。

さらに、公式サイト上では見られない非公開求人も紹介してもらえます。
丁寧な転職サポートに興味のある方は、ぜひ登録してみましょう。

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求人数	約91,500件 ※2025年10月時点
対応職種	介護職・ヘルパー、生活相談員、看護助手、ケアマネージャー、主任ケアマネジャー、サービス提供責任者、施設長、児童発達支援管理責任者、サービス管理責任者、福祉用具専門相談員、生活支援員、管理者、その他
対応雇用形態	正社員(正職員)、契約社員(職員)、非常勤・パート・アルバイト
対応エリア	北海道・青森・岩手・宮城・ 秋田・山形・福島・東京・ 神奈川・千葉・埼玉・茨城・ 栃木・群馬・山梨・長野・ 新潟・富山・石川・福井・ 愛知・静岡・岐阜・三重・ 大阪・兵庫・京都・滋賀・ 奈良・和歌山・広島・岡山・ 鳥取・島根・山口・香川・ 愛媛・高知・徳島・福岡・ 佐賀・長崎・熊本・大分・ 宮崎・鹿児島・沖縄
公式サイト	https://kaigoshoku.mynavi.jp/
参照記事	・マイナビ介護職の評判・口コミ
関連サイト	・総合型転職サイト：マイナビエージェント ・リハビリ職専門転職サイト：マイナビコメディカル

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関連記事：
マイナビ介護職の評判・口コミは本当？選ばれる理由を徹底解説

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求人数	約49,000件 ※2025年3月時点
対応職種	介護職・ヘルパー、ケアマネージャー、相談員、支援員、サービス提供責任者、管理職、その他
対応雇用形態	正社員（常勤）
対応エリア	北海道・青森・岩手・宮城・ 秋田・山形・福島・東京・ 神奈川・千葉・埼玉・茨城・ 栃木・群馬・山梨・長野・ 新潟・富山・石川・福井・ 愛知・静岡・岐阜・三重・ 大阪・兵庫・京都・滋賀・ 奈良・和歌山・広島・岡山・ 鳥取・島根・山口・香川・ 愛媛・高知・徳島・福岡・ 佐賀・長崎・熊本・大分・ 宮崎・鹿児島・沖縄
公式サイト	https://tryt-worker.jp/kaigo/
参照記事	・介護ワーカーの評判・口コミ
関連サイト	・リハビリ職専門転職サイト：PTOTSTワーカー

（出典：公式サイト）

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介護職でスキルアップのための資格取得に関するよくある質問

ここでは、介護職でスキルアップのための資格取得に関するよくある質問にお答えします。

介護資格を取ると給料は必ず上がる？

資格を持つことで昇給や手当の対象になる場合が多いですが、必ず上がるとは限りません。
施設や事業所によって給料の制度や資格手当の有無が異なるため、具体的な金額は勤務先の規定によります。

統計上は、資格を持つことで平均給料が高くなる傾向がありますが、給料アップの可能性は制度や経験年数、役職などとあわせて判断する必要があります。

参照：令和６年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要｜厚生労働省（P17）

スキルアップにつながる介護資格の選び方は？

介護職で資格を選ぶ際には、まず自分がどのようなキャリアを歩みたいかを考えることが大切です。

将来、現場でより専門的な介護を極めたいのか、医療的な知識を身につけて幅広く活躍したいのか、あるいは相談援助やマネジメントといった高度な業務に携わりたいのかによって、選ぶべき資格は変わってきます。

例えば、リハビリや身体機能の回復支援に関心があるなら医療系資格、相談業務に進みたいなら社会福祉士や精神保健福祉士などが選択肢として挙げられます。

自分のキャリアビジョンを明確にし、その実現に直結する資格を選んでみてくださいね。

＞＞介護職でスキルアップできる代表的な資格

介護資格を取得しないとスキルアップは難しい？

介護職としてのスキルアップは、資格取得だけではないため難しくありません。

ここでは、資格以外で身につけられるスキル向上の方法を具体的に紹介します。

現場での観察力・状況把握力を高める

現場での経験を通じて観察力や状況把握力を高めることが重要です。
利用者の体調や表情、行動の変化に気づく力を養うことで、より適切な対応や介助ができます。

日々の業務で気づいたことをメモに残したり、先輩の対応を観察して学ぶことも効果的です。
こうした実践的な経験は、資格だけでは得られない現場対応力を磨き、信頼される介護職員としてのスキル向上につながります。

チームワークや協調性を実践的に強化する

介護現場では複数のスタッフと協力して業務を行うため、チームワークや協調性が欠かせません。
業務の中で互いに役割を確認し、情報共有や連携を意識することで、円滑なチーム運営ができます。

例えば下記のようなことを行うことで、実践的な協調力を養えます。
業務後に振り返りミーティングを行う
他のスタッフのサポート方法を観察・学習する

こうした経験は、チーム内での信頼関係の構築や、介護サービスの質向上にもつながります。

勉強会やセミナーで最新知識を取り入れる

勉強会やセミナーに参加して、最新の介護知識や技術を学ぶことがスキルアップにつながります。
新しい介護手法や制度改正、認知症ケアの最新情報などを取り入れることで、現場での対応力が向上します。

施設内の研修や外部講習、オンラインセミナーなど、学びの方法は多様です。
学んだ知識を日々の業務で実践することで、利用者への支援の幅が広がり、介護職員としての専門性や信頼も高まります。

＞＞スキルアップできる介護職求人が見つかるおすすめ転職サイト

介護でスキルアップできる資格一覧のまとめ

介護職でスキルアップを目指す際は、まず基礎となる資格から順番に取得することが重要です。

初任者研修や実務者研修を経て介護福祉士に至るルートを踏むことで、現場での実践力や評価が高まり、給料や手当、キャリアアップにもつながります。

あなたの目標や働き方に合わせて資格取得やスキル向上を計画することで、介護職としてキャリアを広げられます。
スキルアップや転職を検討する場合は、専門の転職サイトに相談することもおすすめです。

参考文献

厚生労働省 ・介護福祉士の概要について ・介護労働の現状 ・介護職員に占める介護福祉士の割合について（案） ・介護人材の確保について ・介護分野の現状等について ・介護人材の機能とキャリアパスについて ・介護労働者の雇用管理の状況について ・介護老人福祉施設 （参考資料） ・介護福祉士資格の取得方法について ・介護労働の現状と介護雇用管理改善等計画について ・介護職として再就職をお考えの方、初めて働くことをお考えの方へ ・介護労働支援ガイド ・介護職員の処遇改善 内閣府 ・介護離職の現状と課題 内閣官房 ・全世代型社会保障構築会議